第1回日本ウイルス療法学会学術集会

実行委員長挨拶

顔写真

第1回日本ウイルス療法学会学術集会

会長 谷 憲三朗

(東京大学定量生命科学研究所
ALA先端医療学社会連携部門 特任教授)

この度、第1回日本ウイルス療法学会学術集会を2023年11月3日(金)に東京大学安田講堂にて開催させていただきます。
「ウイルス療法」はウイルスの機能を最大限に利用した新たな治療法として近年開発が進められてきており、がんの標準治療を根本から変える可能性のある革新的な治療法として、世界レベルで大きな注目を集めています。世界でさまざまなウイルスを用いたウイルス療法開発が加速化しており、我が国においても、国産のウイルス療法薬が悪性神経膠腫を適応症として2021年11月より販売開始されました。今後、基礎・臨床の領域で、ウイルス療法の知見や研究開発が発展し、近い将来、手術療法、薬物治療や放射線療法に並ぶ、がん治療の標準療法になるものと予想されます。そして必ずやウイルス療法で開発された基礎技術や臨床知見はがんのみならず他の多くの難病治療へも応用できるものと確信致します。ご承知のようにCovid19ワクチンの臨床開発において牛後に甘んじた我が国において、ウイルス療法関連の技術を早急に整備・発展させ臨床に展開することで、世界における熾烈な技術開発競争におけるリーダーシップをとりつつ、国際的な協力・協働体制を着実に確立していくことが急務と考えます。
このような背景から日本において本研究領域の更なる発展を使命として、2022年10月26日に一般社団法人 「日本ウイルス療法学会」が設立されました。日本はウイルス療法開発において世界最先端の技術を育んできましたが、その臨床面での国際競争力をさらに高めるため、学・産・官・国民の連携・結束が必須であることは自明です。
そしてこのような状況の中、此の度「第1回日本ウイルス療法学会学術集会」を開催させていただく機会を得ましたことは、長年遺伝子治療研究に携わってまいりました小生に取りまして大変名誉なことでありますとともに、身の引き締まる思いでもございます。
本学会は社会のコロナ感染がまだ完全に癒えてはいない状況での開催が予想されますが、可能な限り会場にお集まりいただき、シンポジウム、特別講演を中心にプログラムを組ませて頂き本領域の最近の話題をご提供いただくとともに、本領域を今後牽引いただく若手の先生にポスターセッションの実施とともに、対面での活発なご議論を行っていただく場を提供させていただきたいと願っております。そして研究者の皆さんの熱い思いでコロナ感染も退散できるものと確信致しております。
日本におけるウイルス療法の今後の発展の第一歩として、「第1回日本ウイルス療法学会学術集会」への皆様のご参加を心よりお待ちしております。


第1回日本ウイルス療法学会学術集会
会 長  谷 憲三朗
東京大学定量生命科学研究所
ALA先端医療学社会連携部門 特任教授